桐生祥秀選手が9秒台を出した時の身体の使い方

桐生祥秀選手が9秒台を出した時の身体の使い方

都島本通5丁目にありますスポーツ整体院 『Qualita Naturale(クアリタ・ナチュラーレ)』院長の中野充容です。

当院はスポーツ障害を中心に、O脚矯正、姿勢矯正、膝痛、腰痛など、立ち方や歩き方の根本原因から解決していく整体院です。

※スポーツ以外の方も来院されます。

 

先日の陸上インカレ2017で桐生祥秀選手(東洋大学)が日本人で初の100m9秒台をたたき出しました!!(以前にも追い風参考では9秒台は何度か記録されている)

おめでとうございます(^^♪

 

桐生選手と言えば、高校生の時に10秒01という記録を出してから、9秒台がいつ出るのかとメディアも取り上げていましたが、とうとう9秒台に入りました。

 

2017年は同じ大学生の多田修平選手(関西学院大)が新しく出てきたり、世界大会の選手選考も兼ねた日本選手権ではサニブラウン選手が100m、200mの2冠を取ったり、陸上界は激動の1年になっていることかと思います。

 

桐生選手からすれば日本選手権は調子が上がらず4位で、世界選手権には個人種目としては出場できないという苦しいシーズンだったことでしょう。

しかし、調子が悪かったにも関わらず、日本人で一番初めに9秒台を出したのですから、本当に凄い記録です。

 

皆さんが興味があるのは、「なぜ9秒台が出せたのか」、「調子が悪かった時と何が違うのか」だと思います。

「なぜ9秒台が出せたのか」については、おそらくテレビなどのメディアで陸上に詳しい方々がたくさん議論(ストライドや回転数など)して下さると思いますので、身体の面でどう違ったのかを分析していきます。

 

動画を見ていて感じたことは、「いつもより力が抜けて、楽に走っている」ということを感じました。

腕の振りであったり、足の運びであったりがゆったりとしているようで力強い。

力で走っているというよりは、のびのびと心地よく走っていました。

 

桐生選手が「自分は後半伸びてくると思っていたので、焦らずにいきました」というようなコメントがありましたが、多田選手とのスピード感を見ていると、後半は明らかに桐生選手の方が速いです。

 

100mのスピード変化を見ていると、初めの0~40mで加速期、40~60mでトップスピード期、60~100mが維持・減速期に分けられます。

※参考(http://wedge.ismedia.jp/articles/-/2982?page=2

各期で凄い能力を示すことができても、100m走り終わった時に早いタイムが出なければ意味はないので、自分がどこが得意で、どこか苦手なのか知っていると、どこをトレーニングすべきかみえてきますね。

世界選手権でボルト選手やガトリン選手などは、後半に伸びているように見えるかもしれませんが、データを見ていると伸びているのではなく、減速が小さく抑えられているので、他の選手よりもスピードを維持していることになります。

 

これをふまえると、桐生選手は後半に伸びているように見えたので、今回のインカレに関しては減速を最小限に抑えられたと分析することができます。

 

では、なぜ桐生選手は後半の減速を抑えられたか?

 

これが身体の使い方です。

調子の悪かった日本選手権2017と、9秒台を出したインカレ2017を比較してみました。

※左が日本選手権2017、右がインカレ2017です。

日本選手権2017では、腕だけ思いきりを振って、胸、肩甲骨、背骨などの動きがあまり出ていません。

インカレ2017では、腕は思いきり振っていませんが、胸、肩甲骨、背骨などの動きが大きく、全身を使って走っています。

you tubeから動画をお借りします。

日本選手権2017

 

インカレ2017

 

証拠として、日本選手権2017では東洋大学のロゴ(TU)が胸の真ん中からほとんど動いていません。

それと、肩や背骨の動きですが、一見同じように見えている方もおられるかと思いますが、日本選手権2017では腕が後ろにいっているだけで、胸が後ろについてきていません。

インカレ2017では胸が後ろについてきているため、身体全体が捻じれて動いています。

 

顔の位置も日本選手権2017では前に突き出してしまって、進もう進もうとはしているものの、身体が捻じれない位置になってしまい、結果として身体を上手く使えず空回りしています。

そして、手を力いっぱい振っているので、100mの後半では腕の疲れも出てくるため、スピードを維持できず、大きな減速となってしまいます。

思いきり力を入れる無酸素運動は長い時間は続けることができません。

 

身体の捻じれは走っている時に出てしまっても良いのか?

身体の捻じれと聞くとあまり良い印象がしないかもしれませんが、動作をする時には捻じれがある方が大きなパワーを発揮することができます。

それはRSSC(回旋系伸張反射)といって、身体の反射を使うことで大きな力を発揮できるだけでなく、反射的に身体が動いているので、「再現性が高く」、「疲れが出にくい(省エネ)」、「ハイスピード・ハイパワーを出せる」特徴があります。

100m走ではハイスピード、ハイパワーが求められる競技ですので、RSSC(回旋系伸張反射)を使いこなせることが重要になってきます。

 

インカレ2017では、このRSSC(回旋系伸張反射)を使えていたので、後半で疲れが出にくく、ハイスピードを維持しやすい状態で走れていたため、10秒の壁を破ることができたのではないでしょうか。

 

ボルト選手の走りも手を思いっきり振って走っているわけではなく、身体の力みがないように胸や背骨を捻りながら跳ねるように走っています。

 

日本選手権2017の走りを前から見た画像もありました

桐生選手は左には身体を捻りやすい反面、右には捻りにくい身体になっているのがわかります。

手を後ろに持っていった時の身体の捻じれ(東洋大学のロゴ)を見て下さい。

 

右は手だけが後ろにいっています。

左は胸の辺りから後ろにいっているので、東洋大学のロゴが後ろに向かっています。

 

この走り方を見ていると、右の肩甲骨の周辺、右の背骨、右側の内臓、右の仙腸関節の辺りになにかしらの固さを出してしまう要因がありそうですね。

 

この右側の動きを出すことができれば、よりタイムを伸ばせるかもしれませんね。

※画像はyou tubeの動画をスクリーンショットさせていただきました。画像が荒く、見にくいかと思いますが、ご容赦下さい。

 

なぜ、今回は身体の捻じれを使えたのか?

初めにも書きましたが、桐生選手の元々の走り方ですが、手だけを思いっきり降って走っている状態で、手や肩などに力みがありました。

しかし、今回のインカレは怪我があったらしく、決勝の直前まで棄権しようかと悩んでいたという状態だったみたいです。(200mは棄権したとネットに出ていました)

それが、逆に力みが抜けて、身体がちょうど動きやすい状態になったという一面も影響しているでしょう。

 

実際に自分の身体の状態(内的認識力)や、試合会場の雰囲気、環境など(外的認識力)も含めて、パフォーマンスに影響してきます。

どうすれば自分の一番のパフォーマンスが発揮できるのかは、色んな行動を試行錯誤して、良い結果が出ることをルーティン化することも大切です。

 

スポーツ整体院 Qualita Naturale(クアリタ・ナチュラーレ)

電話:06-7172-5978

メール:trainer@fj-s.jp

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